日本語の絵本

きっこちゃんとの出会いから「よい絵本」について考える 

onoaki

こんにちは、akiです。
ママと子どもの「絵本のあるやさしい暮らし」をお手伝いしています。

今日のえほん

わが家の本棚から、おすすめ絵本をご紹介しています。

今日はこちらの絵本

やまこえ のこえ かわこえて
作 こいでやすこ
福音館書店

こんなおはなし

秋まつりの前の晩、
山を越え、野を越え、川を越え、

きつねのきっこちゃんがおでかけします。

お豆腐屋さんに、
いなり寿司の油揚げを買いに行くのです。

お月さまやふくろう、
そして、いたちのちいとにいも

一緒についてきてくれます。

「やまこえて やまこえて」と
やさしくリズミカルな響きをくり返しながら、
お語が進んでいきます。

声に出して読むたびに、
美しい日本語を感じてその心地よさに包まれます。

そして、帰り道。

「あぶらげおいていけ!」と
ついてくる誰かにドキドキしながら

「かわこえて」と、
また来た道を順番に戻っていきます。

実は最初からついてきている誰かさんがいたり、
いつもどこかにかくれていたりと、

絵本を開くたび、絵をよく見るたびに、
物語の中に引き込まれていくような感覚があり、

お話を聞きながら真剣な表情で絵を見て、
想像している子どもの姿が印象的な絵本です。

初めて出会った「お気に入り」

もうずっと前に(たぶん4〜5年前くらい)図書館から借りてきた絵本の中の一冊。

初めてこの絵本の読み聞かせをしたとき、お話のおもしろさと、繰り返す言葉のリズムの心地よさに、衝撃を受けたのを今でも覚えています。

それから今までずっと、私はきっこちゃんの大ファン!!

きっこちゃんのいなり寿司がとても美味しそうで、この絵本をきっかけに、我が家ではいなり寿司を子どもたちと一緒に作るようになりました。(ご飯を詰めるだけのものですが)

小さい頃に出会った絵本ですが、今でも娘がよく持ってくるし、食卓にいなり寿司が並ぶと、家族みんな、このきっこちゃんのお話を思い出します。

シリーズで他にもこんなお話があります。

どれも本当におもしろくて、何度読んでもまた読みたくなる、そんなお話ばかりです。

図書館で絵本を借りて、返して、また借りる。

これを繰り返していましたが、初めて、シリーズですべて購入して自宅にお迎えしたのがこのきっこちゃんの絵本たちです。

こいでやすこさんの世界が大好きで、この「3びきのねずみ」シリーズの絵本も、迷わずお迎えすることになりました。

「よい絵本」との出会い

私は「よい絵本」というのは子どもの年齢や発達段階、また、そのときに子どもが、どんなことに興味関心があるのかによっても変わってくるものであると思っています。

野菜に旬の時期があるように、絵本にも旬があり、旬を迎えている絵本は子どもの心に大きく響きます。しかし、どんなに素晴らしく魅力的な絵本でも、子どもによってその旬の時期は違うため、その子の発達段階や、好き嫌いをよく理解した上で、書店や図書館に行き、我が子にとって今が旬となっている「よい絵本」を一緒に見つけてあげるのが良いと思います。

私はそんなふうに考えながら、まるで宝探しをするような感覚で、図書館に通っています。

図書館では、子どもの興味関心に合わせたテーマで絵本を選んだり、受賞状況や本の奥付を見て、長い間たくさんの人々に愛され読まれ続けている絵本を選んだりしています。もちろん親の好み(私自身の好きなもの)も大切にしています。

そうして選んだ絵本を自宅の本棚に並べておくと、子どもが何度読んでも飽きない絵本、繰り返し読みたがる絵本、お気に入りの作家さんや出版社などがわかってきて、これが「よい絵本」との出会いとなり、旬の時期を逃さぬよう、書店やネットで購入するなどして自宅の本棚に迎え入れ、子どもが読みたいときに読める環境をつくるようにしています。

きっこちゃんの絵本は、わが家にとってまさに「よい絵本」との出会いでした。

自分で読んでいく楽しさを知り、読み聞かせはもうほとんどしなくなった息子と、少しずつ自分で読むようになっている娘。

あと何回、読んであげられるのかな、と思うとさみしい気持ちになりますが、「よい絵本」との新たな出会いを楽しみに、まだまだ図書館に通い続けています。

今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

ABOUT ME
aki
aki
えほんと子育て @Home ai えほんのおうち
公立小中学校教員として15年間働く。子どもが生まれてから絵本読み聞かせを始め、たくさんの絵本に出会い、その魅力を知る。一般の家庭で実践できるバイリンガル教育の方法を広めていきたいと、現在は音読協会のバイリンガル絵本読み聞かせシニアインストラクターとして活動中。
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