日本語の絵本

本当のゆたかさを感じる場所

onoaki

こんにちは
Home ai の akiです。

絵本といっしょに子育てする
ママのお手伝いをしています。

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今日はこちらの絵本

ちいさいおうち

ちいさいおうち
岩波の子どもの本
バージニア・リー・バートン文・絵
石井桃子訳
岩波書店

こんなおはなし

田舎の静かなところに
ちいさいおうちがありました

うつりゆく季節とともに
かわる景色を眺めながら

そこに暮らす人々や動物
自然とともに

いつもすこしも変わらずに

そこにありました

「まちってどんなところ?」

そんなふうに思っていた
ちいさいおうちの周りは

だんだん「まち」に
変わっていきます

自動車や電車、
高層ビルに囲まれて

便利になった「まち」の中で

ちいさいおうちが
夢見たものとは・・・

正面から見た「ちいさいおうち」が定点観測で最後まで描かれています。

「変わらないちいさいおうち」と「変わっていく季節や風景」、時が過ぎていく様子を見事に表現している絵本だなと思います。

最後まで読み終えると、この「ちいさいおうち」と一緒に長い年月を過ごしてきたような感覚があり、絵本を見つめながらじっとお話を聞いている子どもたちも、同じような感覚を味わっているのかなと思います。

自然の近くで

この絵本をひらくとき、私がいつも感じること。

それは
「同じ。人も自然がないと生きていけない」ということ。

「人も健やかに生きていくためには、花や木や庭など、自然が必要だということ」を、最近ものすごく感じています。

たくさんの建物や車、電車が行き交い、便利なものであふれている「まち」の中で、ちいさいおうちはどんどん元気をなくしていきます。

でも、ひっこしをして新しい場所へ行き、自然ゆたかな丘の上に落ち着くと、うれしそうににっこりして、また、生き生きと元気を取り戻していくのです。

このちいさいおうちの変化に、いつも自分自身を重ねます。

私も幼い頃に過ごしたのは、自然豊かな山間地。

(実家の庭からの風景です。ほぼ山の中!笑)

スーパーもコンビニもない、空気の大変きれいな場所。

夏には、家の目の前を流れる川に行き、毎日たくさん泳いだ記憶があります。

冬の朝、目が覚めると、辺り一面が雪景色になっていて、大喜びで外に飛び出したこともありました。

子どもの頃は毎日毎日外に出て、日が暮れるまでやりたいことをして遊びました。

大きくなるにつれてだんだん、田舎の暮らしよりも、都会の便利さを求めるようになっていきました。

自然の音よりも刺激のある、テレビや携帯、タブレットの機会音ばかりを好んで、耳にするようになりました。

自然に触れたり、移りゆく季節を楽しんだりする時間など全くなくなり、気付けば「やらなければいけないこと」に追われ、忙しすぎる毎日に。

やりたくもない、でもやらなければならない
そんなことだらけの生活で、いつも時間に追われて、自分が自分でなくなっているのにも気付かずに、ただおいていかれないように、必死になって何かにしがみついているような毎日でした。

そんな日々の中で、心も体も疲れ果て、一度立ち止まって、ゆっくり自分自身と向き合う時間が必要になりました。

風で木がゆれているのをぼんやりと眺めたり、ただぼーっと空を見上げたり、静かな自然の中でのんびり過ごしていると、ものすごく癒されて、ゆっくりと元気を取り戻すことができたように思います。

自分は何が好きで、何がしたいのか、本当の自分も少しずつ思い出すことができました。

テレビも手放し、おうちの中は静かな空間になりました。
すると聞こえてくる鳥の声、雨の音、風の音など、耳から感じる自然が、毎日心地よくて癒されます。

つけっぱなしのテレビの音ではなく、子どもたちがたのしく遊ぶ声や、家族で夕食を囲みながら話す今日のこと、好きな音楽を楽しむ時間も、そんな日常一つひとつに感謝の気持ちが沸いてきます。

夜、お風呂上がりのしずかな空間の中で、子どもたちが本をめくるパラパラという音が聞こえてきます。そのあまりの心地よさに、しばらく耳を傾けてしまうことも。


幸せになるために

もっと足さなきゃ、
もっと買わなきゃ、
もっともっとって、

ずっと走り続けてきたけれど、そこにゴールはなかったし、そんな必要もなかったなって。

いらないものや、情報は手放して、
自然を感じながらゆっくりと生活することで、

もうすでにある
「ちいさなしあわせ」に気付くことができるのかもしれないなって思います。

ちいさいおうちが
「まち」ではなくて
「自然の中で」元気を取り戻していったように。


今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

ABOUT ME
aki
aki
えほんと子育て @Home ai えほんのおうち
公立小中学校教員として15年間働く。子どもが生まれてから絵本読み聞かせを始め、たくさんの絵本に出会い、その魅力を知る。一般の家庭で実践できるバイリンガル教育の方法を広めていきたいと、現在は音読協会のバイリンガル絵本読み聞かせシニアインストラクターとして活動中。
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